木村 宏 KIMURA, Hiroshi

今季 幡多地域に集団飛来したツル類の個体数変動

木村 宏(日本野鳥の会高知支部)

 今季、幡多地方には多くのナベヅルがやってきました。最初に情報があったのは2015年10月28日。中村で10羽、愛南町で20羽以上が南に飛んだ、との飛翔情報があり、29日には四万十市で28羽が降りていて、それが宿毛に移動したのが確認できて、今シーズンのナベヅルの初飛来を確認しました。その後、30日に四万十市で84羽、11月1日に144羽、4日に172羽と増えてピークは11日の239羽まで増えました。11月15日の「狩猟解禁日」の鉄砲の音におびえて四万十市では0羽となり、宿毛市で16日に64羽を確認したが、カメラマンの接近でいなくなりました。狩猟解禁で散らばったナベヅルは100羽程度四万十市に戻ってきましたが塒にしている四万十市の塒で、また打撃を受けました。12月1日の「落ちアユ漁解禁日」です。塒にしていた河川敷に日の出から落ちアユ漁が解禁すると言うので漁師・釣り師が夜中からキャンプ、焚火をして大勢が押し寄せたために塒にしていたナベヅルが追い出されました。その後12月は22羽、43羽程度が戻ってきましたが、1月にはほとんど見られなくなりました。