竜串海岸の地層に記録された地震と津波
今井 悟(土佐清水市役所ジオパーク推進室)
2004年のスマトラ島沖地震や2011年の東北地方太平洋沖地震にともない発生した巨大津波は各地で甚大な被害をもたらしたが、それと引き換えに、人類は津波に対する理解を飛躍的に深めることができた。しかし、それは主に陸上に遡上してきた津波についてである。津波発生時、海中では何が起きているのか、私たちはまだほとんど知らない。そのような中、土佐清水市の竜串海岸で重要な発見がなされた。竜串海岸の奇岩には、世界的にも希な、地震や津波によって浅い海の底にできた地層(地震・津波堆積物)が数多く含まれていることが明らかとなりつつある。本発表では地震・津波堆積物を中心に、竜串海岸の地球科学的な魅力を紹介したい。
今井 悟 IMAI, Satoru
大学時代に出会った竜串海岸の地層に惚れ込み、1年前に土佐清水へ移住。土佐清水ジオパーク構想の専門員として地質・地形遺産の保全と活用を考える傍ら、太古の地震や津波によってできた地層を探しています。