野見山 桂 NOMIYAMA, Kei

僕が四国で生きものを撮るということ

野見山 桂(愛媛大学沿岸環境科学研究センター

 「今、目の前にある景色には二度と出会えないかもしれない。この切り取った感動を失うことなく、後世に残したい。」その想いで昨年12月に東京で写真展を開催した。四国の自然は驚くほど豊かで、沢山の生きもの達と出会うことができる。陸棲で森林に棲息するヒメボタル(姫蛍)や、主に川辺に棲息するゲンジボタル(源氏蛍)、柏島や沖の島に代表される美しい海、土佐湾のニタリクジラ、数千匹のユビナガコウモリが身を寄せ合う“冬眠洞窟”等、そんな四国に魅了され、休日は出来る限りカメラを手にして出かけるようになった。生きもの達はマイペースに、人間の暮らしと関係なく暮らしているかのように映る。でも、実際には、人間生活のごく身近な所で彼らは息づいており、環境汚染や環境破壊といった人間の身勝手な事情で、生きもの達の生活が脅かされる事も多々ある。生きもののあるがままの姿を捉え、その一瞬を記録し、写真に残すことで、見た人に自然に少しでも興味を持ってもらいたい。そのような思いでこれからも写真を撮り続ける。

野見山 桂 NOMIYAMA, Kei, Ph.D.

愛媛大学沿岸環境科学研究センター 准教授 博士(環境共生学)

幼少の頃から自然が大好きで、現在は四国を中心に水中・陸上問わず様々なネイチャーフォト撮影に取り組んでおり、これらの写真が国内外の多数のメディアによって特集されている。