地域資源である薬用植物の活用-三原村におけるクヌギ樹皮の試験生産-
三好 一樹(高知県環境共生課)
三原村は「水のうまれるところ」。豊かな水を育む多様な樹木が成育する三原村にしたい。そのような村の将来を見据えた田野村長の思いから、広葉樹林の育成を進める動きがあります。それならば、広葉樹を植えて育てたら、広葉樹による村の産業を起こそうということで、手始めに取り組める広葉樹として既に植えられている「クヌギ」の樹皮を、生薬の「ボクソク」として試験生産することになりました。高知県立牧野植物園の協力もあり、平成28年初夏に100kgの乾燥させたクヌギ樹皮を生産し、薬業メーカーと出荷交渉を行いました。しかし、樹皮の品質に問題があったことや、お互いの連絡体制の不備などから、サンプル出荷には至りませんでした。今回の反省を活かし、今後は薬業メーカーの指導を仰ぎ、関係者間の意思疎通を図り、県等の支援メニューを最大限活用しながら、「ボクソク」以外のクヌギの活用研究とともに、広葉樹の活用をさらに広げたいと考えています。
三好 一樹 MIYOSHI, Kazuki
高知県環境共生課 課長補佐
兵庫県生まれ。甲子園の浜で産湯を使い、六甲おろしを子守唄に育ったサッカー中年。幼少時は都会の超高BODの川海が遊び場で、釣りや昆虫採集に熱中。高知大農学部林学科卒。林業屋ですが経営診断・気候変動対策も守備範囲。