剣山から幡多へ連れて行かれたツキノワグマたち
川村慎也(四万十市教委)・谷地森秀二(四国自然研)
平成28年12月16日、四万十市立郷土資料館の収蔵庫で、ツキノワグマの剝製を見つけました。資料館に残っている記録を調べたところ、資料館への受入日は「昭和50年3月」で、「徳島県の四国山脈中で捕えられて為松公園で飼育されていたが胃カイヨウで死亡したもの。5~6才とおもわれる(雌)」という情報が出てきました。 昭和45年3月29日の高知新聞に「中村公園(為松公園)にクマ2頭 青年会議所のプレゼント」という記事がありました。その記事によると「昭和44年7月に、高知営林局が四国山脈の剣山で生捕りにした雌と雄の2頭を中村青年会議所がもらい受け、中村市古津賀の木材団地で飼育していたが、昭和45年3月28日に同公園中ノ森段の“子供の国”に鉄製のオリをつくって移した。」とありました。今回見つかった剝製は、このうちの雌の個体を標本にしたものと思われます。もう一頭の雄が、どうなったかが気になります。