幡多のサンゴのイマとコレカラ
山下 淳一(環境省土佐清水自然保護官事務所)
国立公園内の海域全体で行ったH20-21と、H26-27のサンゴの生育状況を比較すると、オニヒトデ駆除事業地以外でのサンゴの消失が著しく、最近10年間のオニヒトデの大発生が、「イマ」の幡多地域のサンゴに大きな影響を及ぼしていることが明らかになった。幡多地域にとってのサンゴは、核となる自然資源であり、かつ観光資源でもあることから、これを守っていかなければならない。効果的に保全を進めるため、効果的な駆除頻度の設定や、重要保全エリアなどを検討しているところである。
一方、サンゴの保全上の課題は、オニヒトデの食害だけではない。各地域の現場関係者にヒアリングを行ったところ、利用による軋轢への懸念や、山の手入れが必要との意見が得られた。「コレカラ」幡多地域のサンゴを守っていくために、これらの課題についても関係者で協力し、取り組んでいきたいと考えている。
山下 淳一 YAMASHITA, Junichi
環境省土佐清水自然保護官事務所 自然保護官
徳島県出身、今年度10年ぶりに四国復帰したマラソンをこよなく愛する31才、レンジャー山下と、地元幡多(四万十市)出身、元ワンダーフォーゲル部の文字通りアクティブな山ガール、アクティブレンジャー谷吉の2名で、大胆かつ繊細に、日々の業務に取り組んでいます。